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薬用化粧品や医薬部外品の方がシワやたるみに効くんでしょうか?

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今回のテーマは、なかなか手ごわいわよね。
まず、この「医薬部外品」とか「薬用化粧品」っていうあいまいなカテゴリー自体が日本にしか存在しないのよね?。
でもやっぱり「薬用◯◯」とか書いてあるほうが、なんとなく効きそうって思う人のほうが多いんじゃないかしら?

店頭でパッケージ裏返してみて、「医薬部外品」とか「薬用化粧品」って書いてあると、「うーん、やっぱりこっちのほうが効きそうかな?」って、わたしも思いがちだったな。
でも効く、効かない以前に、シワ・たるみ系のアンチエイジングコスメには、実は「医薬部外品」も「薬用化粧品」もないはずだという、まったく知らなかった事実がわかったわね。

新事実!シワ・たるみとりコスメには「医薬部外品」も「薬用化粧品」もないの?!

なつきサムネイル

なつきです。
のっけから、この記事のタイトルはなんだったの?的なコト書いてますね。
そもそも「薬用化粧品」だの「医薬部外品」ってなんなの?というところから、どうしても始めなくてはならないんですけどね。

日本には「薬事法」というかなり厳しい法律がありまして、そのなかでの分類としてあるのが「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」という3つです。
「医薬部外品」って、なんだかヘンな意味のわからないコトバですが、厚生労働省が認めた有効成分(何かに薬理効果があると国が認めている成分)を配合しているけれど、何かを治すわけじゃなくて、あくまでも「予防」レベルの効果があって、またまたその効果について、決められた広告表現が使えるもの… です。

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「医薬部外品」には15のカテゴリーがあります。
例えば「口中清浄剤」、昔からあるものだと仁丹(笑)とか、Gumデンタルリンスとか… でも、モンダミンは違います。
「腋臭防止剤」だとBanとか、「育毛剤」「除毛剤」「染毛剤」、あと「薬用歯磨き類」や「殺虫剤」でいうとごきぶりホイホイだとか、
ソフトコンタクトレンズの消毒液なんかも、実は医薬部外品だったりするのです。

そのなかに「薬用化粧品(薬用石鹸を含む)」というカテゴリーがあります。
なので、医薬部外品>薬用化粧品 ということになります。

薬用化粧品のなかに含まれるのが、大きく分けて8品目で、
1.シャンプー 2.リンス 3.化粧水 4.クリーム・乳液・ハンドクリーム・化粧用油 5.ひげそり用剤 6.日焼け止め剤 7.パック 8.薬用石鹸(洗顔料を含む)
となっています。
で、それぞれにうたっていい効果効能が決められているのです。
たとえば、4番めの「クリーム・乳液・ハンドクリーム・化粧用油」 であれば、これだけです。


肌荒れ。荒れ性。

あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。

油性肌。

剃刀まけを防ぐ。

日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。
日やけ・雪やけ後のほてり。

肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。

皮膚を健やかに保つ。皮膚に潤いを与える。
皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。

さて、医薬部外品(薬用化粧品)には、国(厚生労働省)が認めた薬理効果のある成分が配合されています。
その成分が配合されていて、認可を受けると、国(厚生労働省)が定めた範囲での(上のピンクの囲み内の)広告表現が許されます。

なぜ、シワ・たるみに効く医薬部外品がないはずかというと、そもそもシワ・たるみに効くと指定されている成分がないのです。
だから、当然上の広告表現のなかには、シワ・たるみ関連のものがまったくありませんよね。

「美白」「ホワイトニング」という表現はなぜ使えるのか?

さて、パッケージに「医薬部外品」または「薬用化粧品」と書いてあるコスメのなかには、キャッチフレーズに「美白」とか「ホワイトニング」って書いてあるものもありますよね。

美活肌エキス医薬部外品

3行目<美容液>の横に「医薬部外品」の表記があります

例えば、ドモホルンリンクルであれば、美活肌エキスは「医薬部外品」です。
美活肌エキスの商品説明には「美白」というコトバが使われていたり、商品自体に「薬用美白」という説明がついていたりします。
「美白」という表現は、上の囲み内にはありませんよね。
でも、商品説明を最後までよく見てみると「※美白とはメラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐことです。」という小さい注意書きがあります。
これが、しばり表現といわれるものです。
この(※ ?)を使えば、「美白」というコトバが使えるのです。なんだかややこしいですね … 。

上の囲み内の効果効能表現を見ると、唯一積極的にアピールできそうなのが「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」だと思いませんか?
なので、これからできてしまうであろうシミを「予防」する効果があるといわれている「アルブチン」「L-アスコルビン酸 2-グルコシド」(ビタミンC誘導体)などの有効成分が配合されている美白化粧品に、「医薬部外品」や「薬用◯◯」が多いといえそうです。

ちなみに、殿堂入りコスメとして有名なアルビオンの「薬用スキンコンディショナー」の有効成分は、「グリチルリチン酸ジカリウム」という成分で、肌荒れやニキビを抑える効果があります。

「医薬部外品」や「薬用化粧品」の方が効きそうと思う人が多いので…

ほとんどの「化粧品」は、何か薬理作用が認められている成分を影響のない範囲内で添加して、認可さえ受ければ「医薬部外品」として販売することができるのです。
それは、やっぱりわたしたち消費者が「医薬部外品」や「薬用化粧品」のほうが効きそうだと思ってしまうので、販売戦略の一環として行われていることも多いようです。

また、2001年4月1日から、厚生労働省の薬事法の改正とともに、化粧品の全成分表示が義務づけられました。

一方、医薬部外品については、全成分表示は法制化されているわけではありません。このため、この時多くの化粧品が成分を明らかにしたくないために、医薬部外品に衣替えしたと言われています。

2006年4月1日からは、医薬部外品についても、全成分表示が日本化粧品工業連合会の自主基準となりましたが、法制化されているわけではないので、未だに有効成分や、アレルギーを起こす可能性のあるとされる指定成分しか表記していないメーカーもあります。

たとえば、DHCのウェブサイトにはこういう表示があります。

医薬部外品に分類される化粧品(商品名に「薬用」と入っているもの)は、薬事法改正の適用外のため全成分表示義務はありませんが、指定成分が含まれる場合はその表示が義務づけられています。指定成分とは、通常は問題がないが人によってはまれにアレルギー等の可能性があり、表示して注意をうながす必要のある成分のこと。この指定成分が含まれる場合も、商品のパッケージ上及びホームページに掲載しています。(DHC公式オンラインショップ「化粧品全成分表示について」より

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美活肌エキス(医薬部外品)の全成分表示

わかりにくいかもしれませんが、「義務」がないから表示しなくても良いと書いてあります。
実際DHCの「薬用◯◯」はたくさんありますが、指定成分しか掲載されていません。今どき全成分表示がないなんて、わたしたちは逆にちょっと不信感を持ってしまいますけどね。
国際的には全成分表示がトレンドで、商品を選ぶ際に、配合成分がわかれば、たとえば自分の肌に合わない成分があらかじめわかっていれば、事前にトラブルを回避できますし、万が一トラブルが起こった場合でもその原因を専門医が判断しやすくなるという利点があるわけです。

結論としては、シワ・たるみに効果があるというコスメのなかにも「医薬部外品」や「薬用化粧品」があるかもしれません。
それはシワやたるみに効果がある成分が入っているというわけだからではなく、ほかの何か薬理効果のある成分を配合することによって、「医薬部外品」や「薬用◯◯」にしたほうが売れるからだと言えそうです。

化粧品の方が医薬部外品より有効成分を多く配合できる場合もある?

また、おかしな逆転現象も起きています。
美白アイテムの有効成分として認められているビタミンCは、医薬部外品に添加する場合には3%までと薬事法で決められています。
ところが、規制緩和で、化粧品なら何%でも配合できるのです。

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なので、配合量が7%、9%など医薬部外品より多い化粧品が増えています。
厚生労働省が美白成分と認めているビタミンCが、医薬部外品より化粧品の方が配合量から言えば多く配合しているにもかかわらず、効能効果がうたえない矛盾が起きているわけです。ヘンですよね?。

薬事法の中の医薬部外品、法律制定から50年以上たっていて、現状に即していない点が多くなっているとの声が多いようです。
今回いろいろ取材しても、とってもわかりにくかったですが、つい効きそう?!とつられないように、ちゃんとチェックして、ホントに効くコスメ選びしたいですね。


  • 「医薬部外品」とは薬事法上では「医薬品」と「化粧品」の中間に位置していて、あくまで「予防」を目的としているので「治療」してはいけないものです。
  • 「医薬部外品」のなかに「薬用化粧品」というカテゴリーがあって、シャンプー・化粧水など8品目が指定されていて、有効成分を添加することによってそれぞれうたっていい効能効果が薬事法で決められています。
  • 国(厚生労働省)が定めた有効成分が一定濃度以上入っていて、認可を受ければ「医薬部外品」「薬用◯◯」として販売ができます。効きそうというイメージを持つ消費者が多いので、販売戦略の一環として使われているケースも多々あると思われます。
  • 一部ビタミンCなどの有効成分では、配合量が規制されている医薬部外品より、規制緩和された化粧品のほうが配合量が多く、より多くの効果が期待できるというような逆転現象も起きています。

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